結婚相談所物語

愛すべきKさん(1)

会員の代表と言えばそんな気もする。しかも名誉会長と言ってしまえばそうとも思える。


もちろん○十年も会員でいるわけは無いしそんな役職も無いのだけれど、それほどしっくりと私たちアドバイザーと一緒になって、人よりほんの少し長く活動してきたKさんが、 このたびご成婚を迎えました。


多才でユニークで、でも働き者のKさん。ちょっぴりおとぼけだけど、お見合いやデートの約束はキッチリ守る律儀なKさん。だけどなぜかなかなか話がまとまらなかったKさん。


長いトンネルを抜けた喜びは彼の側から語られると思うでしょう?


ところがKさん、実際は私たちが知る以上のあっぱれな快男児だったのです。


そんなKさんの本質を見出して、今や独り占めできる彼女が羨ましい。


とにかく、情報誌 から彼のプロフィールが外されたことは、この春先の吉祥です。


ことの始まりはKさんからの波状攻撃でした。


3回も申し込まれている...彼女から相談されたのは昨年の秋です。


Kさんが3回も申し込んでいるというのは、本当に気に入っている証拠。


こう見えてもKさん、面食いで好みにうるさいのです。


だけど感情表現が苦手で いつもどこかでつまずいています。


だから今回も、3回も申し込みがあるのなら一度会ってみたら、そう軽く答えていました。


2人の交際の積み重ねはそのまま、彼女がKさんの人柄や才能を見付けていく過程でした。


そして私たちにとっても、長い付き合いでよく知っていたはずのKさんの、知られざる一面を一つまた一つと教えられる日々でありまし た。


次回へ続く


マリッジ・コンサルタント 山名 友子