結婚相談所物語

愛すべきKさん(2)

「漫画家はこれでいい、服装にはこだわらないんだ。」Kさんがそう言ったのは、彼女と 一緒にサロンに来た日のこと。


Kさんのセーターの袖に穴があいていたので、彼女を連れ ているのに穴のあいたセーターとは何事?とからかった時です。


Kさんは一流メーカーの 技師です。


それを真面目な顔して漫画家気取りだなんて。ところが彼女曰く、彼は本当に 絵が上手いんですよ。


確かに、見せてくれたKさんの絵はプロ並みです。Kさんにこんな才 能があったとは。


実はKさん、前にも女性に見せたことがあるそうですが、漫画の趣味を 気持ち悪がられ、それ以来見せるのがいやになったとか。


それが彼女には素直に才能を認 められ、すっかりいい気になっているようでした。


漫画だけでなく彼は英語もペラペラ、バイクも大きなのに乗っているんですよ。彼女の言 葉にまた驚きです。


なるほどプロフィールには英検○級取得とありますが、日本語の会話 でも最低限の言葉しか喋らないKさん。まさか英語がペラペラとは。


趣味も確かにツーリ ングとはありますが、のんびりした雰囲気のKさん。どちらかと言えば趣味・音楽鑑賞が ぴったりです。


本格的なバイクを2台も持っていると聞かされて、知っているKさんとは まるで別人です。


その上Kさん、管楽器もお手のものとは。予想以上の強者です。


次回へ続く
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マリッジ・コンサルタント 山名 友子