結婚相談所物語

過ぎたるは・・・ 後編

ところがある日、喜んでいたはずの女性の母親から暗い声で電話があったのです。


「娘は今年天中殺でした。
物事を始めることはタブーなので結婚させられません」


まず、こういった占いを強く信じる人には何を言っても始まりません。


言葉は空回りするばかりです。


しかし、私はとっさに切り返したのです。


「お母様!物事の始まりはそもそもお見合いした去年の10月ですよ。
去年はお嬢さん、まだ天中殺ではなかったでしょ?」


この一言が功を奏し一転して母親もOK。


めでたくゴールインして、もちろん今も幸せに過ごしておられます。


過ぎたるは猶及ばざるが如し。


占いも運命を切り開く良き道標とはなりますが、


徹底して突き詰めてしまえば呪縛に他なりません。


親が子を思う気持ちも有難いものではありますが、


過度に石橋を叩かれてはただ脆くなるだけです。


あまたある占いで叩き続けられたら、


さしもの頑丈な石もいつかは剥落するでしょう。


運命を読み解いて、さてそれをどう解釈し実行するか、


運命を読み解いて、さてそれをどう解釈し実行するか、


これはもはや人の成す領域です。


せめてこれから積み重ねていく結婚生活に関しては、


希望ある方向に読み解いてもいいのではないでしょうか。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子