結婚相談所物語

決断までの時間 後編

初めのお見合いは彼とでした。


学歴差はあるのですが、簿記1級を独学で取ったということに


彼女が興味を示したのでした。


そして翌週二人目のお見合いの前日。


彼女からお見合いのキャンセルを言ってきたのです。


何と、彼からプロポーズされお受けしたい、


明日はお見合いしても絶対にお断りしてしまうから、と。


たった1週間でプロポーズ?と思ったのですが、彼女の話では、お盆休みの1週間、


ずっと彼と一緒に過ごしたそうです。


そして会うたび彼の人柄に触れ尊敬する思いになったとか。


彼女の父親にも、学歴がなくてもそういう人こそ望ましいと応援されたとのことでした。


このお二人は実に濃密な時間を過ごして結論を出したに違いありません。


程なく式を挙げられました。


余談ですが、お見合いの直前になってお断りされるのは、誰でもいい気がしませんね。


約束が違うとトラブルになることもあります。


しかし彼女が二人目にお見合いしようとしていた男性は、


私が真実を伝えてお断りしたところ、


実に穏やかに「どうぞお幸せにとお伝え下さい」と言ってくれました。


こんな時こそ人となりが表われるものです。


俄然この男性のお世話に力が入ったのは言うまでもありません。


彼も、もちろんいい人とゴールインして一安心。


次回の話を読む
最初の話から読む

マリッジ・コンサルタント 山名 友子