結婚相談所物語

アドバイザーの本音 後編

残念だったのは3組目、二卵性のお二人でした。


お相手は阪神間の人、という絶対条件こそ一致していましたが、性格もまるで違います。


お姉さんは繊細で、とにかくデータをきめ細かくチェックする方でした。


だからなかなかお見合いに至らず、結局ご縁もなくなりそのままとなってしまいました。


一方の妹さんはすべて我々にお任せ。


ご紹介をすれば写真も見ないでとりあえず会ってみるという方で、


お見合い当日にお相手の確認、ということもしばしば。


そのうち阪神間在住の銀行員とお付き合いが始まり、順調に日を重ねていました。


ところが、彼が仙台へ転勤になってしまったのです。


彼は"阪神間の人"という絶対条件からはみ出してしまったのです。


この時はちょっとアドバイザーの勘が働きました。


私は「条件に合わないわね。お断りしておきましょうか?」と少し意地悪言ってみたのです。


案の定彼女からは「断らないで!」


そしてほどなくゴールイン。


知らない土地での生活でかえって二人の絆は深まりました、と嬉しいお便りをいただいております。


実は現在4組目と5組目の双子さんがいらっしゃいます。


お預かりした時、つい私は口を滑らせてしまいました。


「えっ!双子さん!?」でも今回はまずお一人ずつで正直ほっとしています。


そのうち弟さん、妹さんもとのことですが、


なにはともあれ、ひとまずやれやれ。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子