結婚相談所物語

お袋のプチ家出 中編

しかし、参った。


ある日仕事から帰るとお袋がいない。


珍しく晩御飯の用意もなく、旅行に出かけると言ってたかな?


と思いつつ仕方なくコンビニの弁当を食べていたらメールが来た。


しばらく家には帰りません。


精々お一人でおやりなさい。


...何だ!このメールは!


それから1カ月、俺としたことがバリバリ働いて気ままにツーリング、


小粋にしゃれこんで...どころではなくなった。


だいたい毎日惣菜買って帰るのも鬱陶しい。


洗濯もゴミ出しも大変だ。


ああわかったよ。


俺の優雅な生活はお袋の支えあってのこと、と思い知った時、


何事もなかったかのように東京の弟のところからご機嫌で戻ってきた。


いいわよ、あんたがその気なら弟の方に先にお嫁さんもらうから。


その結婚相談所とやらに弟が登録したいと言ったらしい。


そんなことで嫁なんぞもらえるもんか。


ところが、これがトントン拍子で決まっていく。


弟が度々戻ってくると思っていたら、何だかほんわかした女性を連れてきた。


本当に結婚するつもりらしい。


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関西学院大卒 会社員・33歳(男性)より