しかし実際写真は余り必要ありませんでした。
というのも早々とパーティで専門職の優秀な男性と意気投合、
あっという間にお話がまとまったからです。
娘さん方のお世話もさることながら、
今の私の本音は、このお母様とのお付き合いがとても楽しいということです。
娘さん四人をそれぞれ一流の大学に進学させて
しかもお一人はアメリカにまで出して、お母様も大変でしたでしょう?
とお尋ねしても、
当のお母様は「さぁ?そうでしたっけ?」と至って鷹揚。
しかし決して呑気に過ごされてきたはずはないのです。
お父様は三人男兄弟の三男にも関わらずご両親を看られたのですから。
子育てと合わせてそれは大変だったことでしょう。
「結婚する前初めて主人の家にお邪魔した時、
赤いサンダルを履いて行ったんです。
それを見た舅が、玄関に赤い靴があるというのは実に華やかでいいもんだね、
と喜んでくださった。
こんな方となら同居してもいいなと思ったんです」
このお話を聞いて、私はすっかりお母様のお人柄に魅かれてしまいました。
さて、娘さんたちの話題に戻ります。
何とか四人のうち三人までは満足いただける結果となりました。
この安堵の気持ちは何とも言えません。
表面上はあっけらかんとされているお母様ですが、
愛情を注いで大切に育ててこられた娘さん方です。
双子にかかわらず姉妹それぞれ皆さんに
ご満足いただかないと意味がありません。
そういう重圧を知ってか知らずが、お母様は仰いました。
「末の娘もお願いしとこうかしら」・・・
まだ学生さんでしょう?
もう少し先でよろしいんじゃないですか?
マリッジ・コンサルタント 山名 友子