とにかく、僕はいつもおろおろしている。
彼女と付き合い始めてから、彼女の気まぐれに振り回されているんだ。
そもそも僕は気の強い女性は苦手じゃなかったのか?
学生時代、
ちょっと有名な国立大学生ということで僕の周りの女性は、
まあ賢いのね、と
もてはやしてくれた(...ような気がしていた)。
そうだ。
彼女のようになんでもかんでもポンポンものを言って
気持ちをはっきりと態度に示す女性は、周りにいなかったんだ。
彼女はすぐむくれるし、自分の意見を通す。
そういうのは、どだい僕は苦手と思っていたんだ。
だけどこうやって彼女の一つ一つが気になるのも事実。
すぐむくれるけど、
楽しかったり嬉しかったりしたら単純に喜ぶ。
無邪気に笑う。それを見ていて正直可愛いと思う。
山名さんに、彼女の扱いがわからない、と言うと、
あなたの気持ちをちゃんと伝えているの?
と逆に叱咤された。
僕の気持ちって?
ああ、だけどそもそも彼女の気持ちはどうなんだろう。
―一体何を考えているんだ、彼女は。
忘年会があるんだけどその日は夜通し飲み明かしちゃうからね、
だって。
そんなこと断固許さない。
たかが職場の忘年会じゃないか。
終わればさっさと帰ればいいものを、
巷が浮ついているこの時期に、
そんなことして何かトラブルに巻き込まれたらどうするんだ。
山名さんは、いいじゃない、それぐらい、
あなたが拘束することでもないし、と言うけど、
拘束したいからじゃない。
彼女が心配だから言うんだ。
マリッジ・コンサルタント 山名 友子