結婚相談所物語

お似合いの?! 中編

とにかく、僕はいつもおろおろしている。


彼女と付き合い始めてから、彼女の気まぐれに振り回されているんだ。


そもそも僕は気の強い女性は苦手じゃなかったのか?


学生時代、


ちょっと有名な国立大学生ということで僕の周りの女性は、


まあ賢いのね、と


もてはやしてくれた(...ような気がしていた)。


そうだ。


彼女のようになんでもかんでもポンポンものを言って


気持ちをはっきりと態度に示す女性は、周りにいなかったんだ。


彼女はすぐむくれるし、自分の意見を通す。


そういうのは、どだい僕は苦手と思っていたんだ。


だけどこうやって彼女の一つ一つが気になるのも事実。


すぐむくれるけど、


楽しかったり嬉しかったりしたら単純に喜ぶ。


無邪気に笑う。それを見ていて正直可愛いと思う。


山名さんに、彼女の扱いがわからない、と言うと、


あなたの気持ちをちゃんと伝えているの?


と逆に叱咤された。


僕の気持ちって?


ああ、だけどそもそも彼女の気持ちはどうなんだろう。


―一体何を考えているんだ、彼女は。


忘年会があるんだけどその日は夜通し飲み明かしちゃうからね、


だって。


そんなこと断固許さない。


たかが職場の忘年会じゃないか。


終わればさっさと帰ればいいものを、


巷が浮ついているこの時期に、


そんなことして何かトラブルに巻き込まれたらどうするんだ。


山名さんは、いいじゃない、それぐらい、


あなたが拘束することでもないし、と言うけど、


拘束したいからじゃない。


彼女が心配だから言うんだ。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子