結婚相談所物語

推薦の妙 前編

色とりどり、沢山の種類のジャムが並んだショーケース。


片や厳選された数種類だけのジャムが並んだショーケース。


さて、どちらのショーケースのジャムの方がよく売れるでしょう?


という実験がなされたことがあります。


結果は後者の勝ち。


選択肢があまりに多いと一つに絞り込めないで結局買わずじまいになる、


ということでしょうか。


さて、選ぶ対象がジャムではなく人となると


また話は違ってくるのかもしれませんが、


選ぶという行為は同じなのですから、


人の気持ちに作用する何がしかは同様のものがあるでしょう。


その証拠に、数多くお見合いを重ねるよりも、


私たちアドバイザーが厳選してご推薦したお相手と決まるケースが、


思いのほか多いのです。


Tさんは容姿、条件共に申し分なし。


お見合い希望者が後を絶たず、我々アドバイザーも、


そのうち決まる、きっと決まると安心しきっていました。


ところがこれが間違いの元でした。


申し込まれるまま次がある、次があるとお見合いを重ねていくうち、


Tさん自身の意思も置き去りにされたまま、


月日も徒に重ねていました。


いい加減に終止符を打たなければなりません。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子