誰しも子を産んだその時からすぐに親になれるわけではありません。
肌を触れ合い、気持ちを汲んで、情をかけて、
世話をして、それで親になっていくのです。
子の成長と共に、親の成長もあるのです。
そうして子が巣立つ時、親はピークを迎えます。
育んだ子が巣立ち、そして親は子から離れるのです。
親を成長させてくれた子と、とりあえず決別です。
子の巣立ち―子の結婚。
子の結婚で一段成長できる親は本当の意味での親になれます。
新たに成長できた親は、
子の結婚生活を蔭ながらに支えていけるのです。
その家では、一人娘のお婿さんには
養子に来てもらわなければと考えていました。
そしてこの家に住んでもらう人でなければいけないわ、
一人娘はそう思っていました。
母親は祖母のお世話があって大変だから、
自分は家を出られないと思ったからです。
一人娘の祖母は父親の親なのに、
父親はなんにも手伝ってくれないものですから。
やがて一人娘に結婚したい人が見つかりました。
でもその人は少し遠くで働いているので、とても一人娘の家では暮らせません。
やがて一人娘に結婚したい人が見つかりました。が......
続く
マリッジ・コンサルタント 山名 友子