結婚相談所物語

思い通りにいかねども1 前編

例えば何か心に障碍を感じたとき、


どうしても克服したいと念じたら思わぬエネルギーが出せた


という経験はなかったかしら?




例えば何か予期せぬ災難に遭遇したとき、


本当のその人らしさが見えたということはなかったかしら?


誰かと一緒に過ごすなら絶対にこの人、


とピンとくるものがあったから、


彼さえ受け入れてくれたら事はすんなり運ぶと思っていた。


だのにたった一つ、心のわだかまりがどうしても私を前に進めてくれなくて。


でもこうやって、願ったその彼と過ごせる日々の幸せを今は噛みしめている。


いいえきっと、すんなり話がまとまっていたら、


こんな日々も当たり前に思えてこれほどの喜びは感じていなかった。


私の中のわだかまり。


それはほんの些細なことかもしれないけれど、


彼に向かっていた私の気持ちにブレーキをかけたのは事実。




「宗教の違い」は大きな障碍になると思ったの。


少なくとも私の"条件"から外れていた。


しかも入り口すぐの第一条件。


今までならそれだけで縁のなかったはずの彼だけど、


先に人柄に触れて意気投合してしまった。


それが混乱の始まり。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子