結婚相談所物語

思い通りにいかねども1 後編

彼は、同じでなくていいよと言ってくれたけど、


夫婦たるもの同じでなきゃならないと思い込んでいた。


でもそんな時に知ったの。


彼のご両親も恋愛結婚だけど宗教は別々、そしてお互い干渉なし。


それでもとっても夫婦円満で、何よりもこんな素敵な彼を育て上げているじゃない。




真剣に考えた。


そして願った。


今まで一人できたけれど、もっと年を重ねて50になって


猫に涙をなめてもらうのは絶対イヤ。


なんとかしたい。


そう念じたら、今までの頭を方向転換させる勇気が湧いた。


まさに障碍に対する思わぬエネルギー。


そして、そんな理由で二の足踏んでいた私を、


苛立ちもせず広い心で見守っている彼がいた。


まさに予期せぬ事態に見せてくれた本当の彼。




もっと早く "条件"とやらを解いていれば、


もっと楽に結婚を見つけていたかしら。


でも今となってはもういいの。


彼と知り合うのにこれだけの時間が必要だったということで。


でも、いざというときに一人よがりの呪縛が解けたのは本当によかった。


"条件"を掲げた私にしてみれば、


思い通りにいかなかったのかもしれないけれど


"条件"を捨てた私にしてみれば、希望は叶ったのだから。


実際今ここに、幸せに包まれている私がいるのだから。


それに、障碍を自分のエネルギーで乗り越えた事実と、


窮地で彼が見せてくれた真実は、


自信と彼への信頼になってこれからの私を明るく照らしてくれる。


どんなことがあっても私たちきっと、大丈夫だわ。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子