親の言いなりなんて真っ平だ。
思いっきり親元離れているこの機会に、気分よく気ままに暮らそう。
結婚なんてまだまだ先、まずは金を貯めて欲しい車を買わなくちゃ。
そう思っていた。
なのに、知らないうちに親父が勝手に何やら手続きしたという。
たまたま帰省して、とにかく女性と会うはめになってしまった。
何を勝手なことやってんだ、
と声を荒げるのも大人げないし先方にも気の毒だし。
仕方ない、時間潰しに付き合うか。
ところが先方にとっても俺は希望の条件外らしい。
京都から出たくない、
京都で仕事をしたいの、
京都にずっと住みたいの、
って何だよ、それじゃこの話はもとから成立しないじゃないか。
こんなお互い気乗りのしない見合いなんて意味があるのか?
と思っていたが、
居住地が優先されるということには正直ちょっと男のプライドが傷ついた。
よし、それならそんな条件、俺がぶっ壊してやろう。
なんてね。
いや、ホントなんとなく。
マリッジ・コンサルタント 山名 友子