結婚相談所物語

思い通りにいかねども2 後編

いずれにしても俺は頑張った。


そんな必死の努力が彼女に通じたのか、


それとも彼女の京都志向が実はそれほどでもなかったのか。


そんなことはどうでもいい。


そうね、東北に転勤願い出しちゃおう、


と彼女もあっさり方向転換。


お互い思い通りにいかなかった者同士、


いや思いをちょっと入れ替えただけで結果に満足しているのなら、


それはやっぱり思い通りにいったと言うべきか?




とにもかくにも俺たちは、


思いとやらにとらわれず終着点に行きつけたのはラッキーだった。


ということは深層心理でやっぱり結婚願望はあったのか?


そんなこともどうでもいい。


ただひとつだけ、やっぱり思い通りにならないことがある。


彼女は天真爛漫、実に素敵さ。


だけど、彼はどうして私の顔ばかり見つめるのかしら、


なんてそれはないだろう。


俺の思いの丈がわかってないなんて。


悔しいけれど彼女より俺の方が首ったけ。


俺の思いのほどに気づかない天然彼女なのに、


いや、だから余計に首ったけ。


ということはおそらく一生首ったけ?


ならば思い通りにいかないけれど、これはこれでいいのかな。


前回の話を読む
最初の話から読む


マリッジ・コンサルタント 山名 友子