いずれにしても俺は頑張った。
そんな必死の努力が彼女に通じたのか、
それとも彼女の京都志向が実はそれほどでもなかったのか。
そんなことはどうでもいい。
そうね、東北に転勤願い出しちゃおう、
と彼女もあっさり方向転換。
お互い思い通りにいかなかった者同士、
いや思いをちょっと入れ替えただけで結果に満足しているのなら、
それはやっぱり思い通りにいったと言うべきか?
とにもかくにも俺たちは、
思いとやらにとらわれず終着点に行きつけたのはラッキーだった。
ということは深層心理でやっぱり結婚願望はあったのか?
そんなこともどうでもいい。
ただひとつだけ、やっぱり思い通りにならないことがある。
彼女は天真爛漫、実に素敵さ。
だけど、彼はどうして私の顔ばかり見つめるのかしら、
なんてそれはないだろう。
俺の思いの丈がわかってないなんて。
悔しいけれど彼女より俺の方が首ったけ。
俺の思いのほどに気づかない天然彼女なのに、
いや、だから余計に首ったけ。
ということはおそらく一生首ったけ?
ならば思い通りにいかないけれど、これはこれでいいのかな。
マリッジ・コンサルタント 山名 友子