結婚相談所物語

縁を司る 中編

だけど本当にそうでしょうか?


三番目にやっと出来た男の子だし少々賢い息子だから、


親ながら気を遣ってしまうんじゃないかしら。


彼にしても、母親が自分の結婚について先んじるものだから、


ちょっと照れがあったのかもしれません。


それに初めはちょっと女性の扱いがわからなかったのも事実でしょう。


何しろ姉二人と母親に可愛がられて、


これまで積極的になる必要がなかったのですから。


女性は、結婚に対してまるで現実感に欠けていたようでした。


と言うのも海外生活が長く、


はっきりと意思表明する自由恋愛の日常を目の当たりにしてきたものだから、


自分も同じ経過を辿ると思っていたのです。


男性は積極的に仕掛けてくるもの、


女性はそれに応えながら相手を選択していくもの、


こんな風に恋愛を捉えていたのかもしれません。


自分の気持ちなんて相手の出方次第で揺らいで当然ぐらいに思っていたかもしれません。


確かにあちらの恋愛は傍目にもそれとわかるような激しさがある。


こんな二人だから疎遠になっていっても仕方なかったのです。


そんな時・・・


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子