こんな二人だから疎遠になっていっても仕方なかったのです。
そんな時、お互いに了承しあって、
揃ってパーティに出席することになりました。
勿論新しい出会いを前提に。
それは二人の関係をリセットするきっかけを認め合う機会になるはずでした。
ところが、大勢の中にあって二人はお互いしか見えない。
結局光っているのは彼にとっては彼女、彼女にとっては彼だったのです。
この日も、特別彼は積極的に仕掛けてくるわけじゃない。
特別彼女は彼に合わせて心揺らせてくるわけじゃない。
だけど特別の存在というものを離れて改めて触れ合ってみると、
お互い故知らず惹かれ合う心地良さに気がついた。
"二度目の恋"と後になって二人は言うけれど、
実は一度目も二度目もないのです。
欲望や計算や駆け引きや、そんな余分な気持ちを払い落としたら、
私がこれまでずっと繋げていた縁に
自分の本当の思いがのっかっているのに気が付いた、
ただそれだけのことなのです。
それにしても、もうちょっとのところでこの縁も
行き場がなくなるところだったのですから、
まずはメデタシ、メデタシ。
私は縁を司る神の使者。
人の心の気まぐれに翻弄されつつ、
今日もひとつひとつ縁をたぐり寄せては繋げている。
願わくば、人みな純なる御心にて
我が身に潜む縁の端くれに気づかれんことを。
マリッジ・コンサルタント 山名 友子