結婚相談所物語

息をするように 前編

とある月の終わりの昼下がり、サロンでは一時緩やかな時間が流れます。


「今月のご交際状況は?」


「今週、彼のうちへご挨拶に行かれます」


「先週彼が来られて、とてもしっかりした青年で...とお母様から...」


「ところで東京の○○さんは...」


「毎月こちらへ帰ってきてお会いしているようです」


「次のお休みには彼女が東京まで行かれるそうですよ」


「このお二人は女性が老舗のお嬢さんで...」


「彼はちょっと気が引けるとおっしゃっていますが、


本人同士は意気投合して毎日が楽しいんですって」


「○○さんはお気持ちを伝えたのかしら?


何も言ってくれないって彼女淋しそうだったから...」


「でもこちらの二人は...男性が途中で迷い始めて、


でも...結局最後は彼の方が積極的だったかしらね」


「それからこちらの二人は...結構電撃的だったんですよね」


と話が尽きません。


そして最後は、


みんな無事にお決まりになってよかったね、ということで落ち着くのです。


結婚話には、いつも劇的なドラマや意表をつくどんでん返しが


潜んでいるわけではありません。


というより、いつでも波乱は含んでいると


言った方が正しいでしょうか。


ただ本当に言えるのは......


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子