結婚相談所物語

心に響く言葉

結婚の意思確認・・・二人来社・・・それはエムロードでご交際が順調に進んでいる時に、交際中のお二人に揃って来社していただき、意思確認をする事をいいます。



国立大学卒業後、一部上場企業で仕事をする彼は35歳。言葉は少なく、しかし内に秘めた優しさがある好青年です。



一方、お相手の女性は、神戸の有名私立大学を卒業後、資格を生かして働く28歳。明るく天真爛漫な彼女は、常に向上心があり、物事をはっきりと伝える力を持っている女性です。



性格の違う二人がお見合いをしたのは6月中旬頃・・・


その後、食事のデートを何度か繰り返している時点で彼女に様子を聞いてみると、「優しくて、一緒にいて落ち着く。ただ、まだ彼の気持ちが分からないです。」との歯切れの悪い返答。


そのうち、初めて一日デートをしたと連絡が入りました。


「淡路島へドライブに行って来ました。初めて丸一日一緒に過ごして、やっと気持ちが打ち解けた感じがしました。でも決め手がないし、彼から結婚を匂わす言葉も聞いていないし・・・。」と相変わらず歯切れの悪い報告に、私は「じゃあ、これからあなたはどうしたいのかしら?」と問いかけると、「彼はいい人だし、私は好きです。」と話すうちに彼女の気持ちは既に決まっている様子。でも、しかしそこは女心。彼からのはっきりした言葉がない以上自分から言えるタイプではない。それでモヤモヤしているのだと私は推測しました。


二人で一度サロンに来ていただいて、しっかりこれからの事を話しましょうかとお話しすると、お二人でご相談になりさっそくご来社が決まりました。



お二人が来社され、お気持ちの程は...とお尋ねすると、驚くことに彼からは実にきっぱりと、ためらいのない言葉が発せられました。「彼女の気持ちは分かりませんが、僕は決めています。」と。無口な彼がはっきりと力強い言葉で気持ちを伝えたのです。


傍らで聞いていた彼女は、その瞬間、彼の気持ちが分からないと悶々とさせていた表情をパッとバラ色に輝かせ、「私も決めています。」と実に明るくおっしゃったのでした。



決め手となる言葉は何か・・・それは本心です。誰しも相手の心は気がかりです。でも相手がどう思っているのかではなく、自分がどう思っているかを伝えること、それが心に響く言葉となるのです。


今月、二人は結婚を決めて、ご両親へ挨拶をする日取りが決まりましたと報告が入りました。エムロードを仲良く巣立って行かれる日も間近です。


マリッジ・コンサルタント 山名 友子