何となく気持ちが揺らぐ。
娘はそんなことには頓着なしで、
交際してみると言う。
私は彼とは会っていないから
彼の人となりはわからない。
だけど医者にならなかったという部分だけが
やけに引っかかる。
娘に、
ねぇ、どうして医者にならなかったのか聞いてみてよ、
と言ってみたが、
そんなこと聞ける訳ないでしょ、
と嫌がられた。
でも私はどうしてもそのことが
頭から離れないで気になっていた。
ある日、結婚相談所のアドバイザーから連絡があり、
サロンを訪ねた。
娘たちの交際が順調で
そろそろ意思を固めつつあるという。
私は嬉しいとも嫌とも何とも言えない気持ちで、
それが表情に出たのだろう。
彼がなぜ医者にならなかったということですね、
とアドバイザーの方から切り出してきた。
「彼は医者になれなかったのですよ。
そのことで彼は父親に対して。
随分とコンプレックスがあったようです。
でもご覧ください。
マリッジ・コンサルタント 山名 友子