結婚相談所物語

縁を司るVOL.2 中編

やはり数年前、この男性の結婚話を進めるはずが、


弟が先に入会してさっさと相手を見つけたことがありました。


結局弟に先を越されてそのままになっており、


すでに家庭を持っていればそれに越したことはないのですが、


とにかくこの兄弟の親元へ電話を入れることにしました。


すると「長男は言うことを聞かんのや。


それより甥っ子、俺の姉の子供やけど京大出て高校の先生してるけど


なかなかおもろいやつでな、だけどまだ嫁さんがおらのや」


と電話口の父親が話すではありませんか。


またしてもその息子である男性の話が違う方向へ行ってしまいました。


が仕方がありません。


ところがその姉たる母親に電話をすると、


私たちはもう田舎に引っ込んでいるので


関与しませんから直接本人とご自由に、


といたって無関心な様子。


それでもまあなんとか本人がそのおじ様と一緒にやってきました。


成る程なかなか感じがよくてユーモアは一流、


人物として面白い。


そしてさすがカントリーライフを満喫している親の子、


今どき携帯は持たない、普通免許はない、乗り物は自転車だけとくる。


それがこだわりあってのことかと思いきやさに非ず、


連絡手段として携帯は必要と聞けば即用意してくる。


そんな彼だから、会員デビューすると


瞬く間に申し込みが殺到するという人気ぶりでした。


もちろん若い女性もこんな逸材見逃すわけがありません。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子