結婚相談所物語

夢子さんの恋 PART3

ある日彼の父親から電話が入りました。


もう一度お相手探しをお願いできないかと言う。


「息子は一流会社に勤めているわけではない。


結婚も一度失敗している。年齢ももう若いとは言えない。


それでも長男である。


家庭を持たせて心豊かに暮らさせてやりたい。


高望みはしない。


子供はできなくてもいい。


せめて人生を共に生きてくれる伴侶を見つけてやりたい」と。


切々と。


40歳そこそこであれば


男性は大概が確実に子供を産める年齢の女性を望む。


しかし父親はただ息子の幸せだけを願った。


その言葉の通り、


彼もやはり気負うことなくまさに自然体で、


今の自分を受け入れてくれる女性なら何よりですと健気に言った。


多くを望めないことは彼自身も理解していた。




夢子さんの結婚の第一条件は相手に恋が出来ること。


しかもとびきり上等の恋を。


そうして彼と出会ったのです。


夢子さんは彼に会ってたちまち恋に落ちました。


彼とほぼ同い年の夢子さんはまるで女子高生のようで、


傍から見ていても微笑ましく、


まさにキュートに恋する女の子になりました。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子