ある日彼の父親から電話が入りました。
もう一度お相手探しをお願いできないかと言う。
「息子は一流会社に勤めているわけではない。
結婚も一度失敗している。年齢ももう若いとは言えない。
それでも長男である。
家庭を持たせて心豊かに暮らさせてやりたい。
高望みはしない。
子供はできなくてもいい。
せめて人生を共に生きてくれる伴侶を見つけてやりたい」と。
切々と。
40歳そこそこであれば
男性は大概が確実に子供を産める年齢の女性を望む。
しかし父親はただ息子の幸せだけを願った。
その言葉の通り、
彼もやはり気負うことなくまさに自然体で、
今の自分を受け入れてくれる女性なら何よりですと健気に言った。
多くを望めないことは彼自身も理解していた。
夢子さんの結婚の第一条件は相手に恋が出来ること。
しかもとびきり上等の恋を。
そうして彼と出会ったのです。
夢子さんは彼に会ってたちまち恋に落ちました。
彼とほぼ同い年の夢子さんはまるで女子高生のようで、
傍から見ていても微笑ましく、
まさにキュートに恋する女の子になりました。
マリッジ・コンサルタント 山名 友子