結婚相談所物語

注文漬けの嫁探し 後編

ああそうか。


私にとって可愛いというのは、


ただ見た目の問題だけでなく


私に全幅の信頼を寄せてくれるその態度だったのか。


そう言えば、容姿が愛らしくても


一人でシャンシャン生きていけそうな女性には


気持ちが向かなかった。


と言うことは、この年齢になってやっと貫禄?


もつき僅かながらも頼られる風情が身についてきたと言えるのだが、


つまりは今までの私では自分の好みの女性には


釣り合わなかったということではないか。


とまあそんな御託はどうでもいい。


とにかく今は、


恥じらいながら私の次の言葉を待っている、


そんな彼女が愛おしい。


とどめの一撃がある。


彼女の母親がそっと打ち明けてくれた。


「あの子のあんなに女っぽく恋する様子、初めて見たわ」


こんなことを言われた日には


男として心を決めないわけにはいかない。


断じていかない。


そうではないか?男は誠意だ。


全力を尽くして誠意を示す。


これに限る。


であるからして生涯を通して彼女を守りぬく決意をした次第であります。


と偉そうに言ったところで私が彼女にぞっこんまいった


ということには変わりない。


とにもかくにも待てば海路の日和あり、


継続力となりて意中を落とさん...


ああ実に嬉しい!


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子