結婚相談所物語

幸薄い娘の幸 PART1

つい忙しくて


とんとご無沙汰してしまいました。


毎度お馴染みの縁結びの神でございます。


そう、恋のキューピッド、ではない方です。


それにしても今度ばかりはいい仕事をしました。


いや実に気分がいい。


神ながらに達成感を味わったと言いましょうか、


まさに満足の一言に尽きます。




下界での私の同業者、


結婚相談所の前を行きつ戻りつして


足を踏み入れるかどうか逡巡している様子が


ひどく印象的でした。


綺麗な顔立ちとは裏腹にどこか憂いを感じるのは、


どうやら恵まれた恋愛には縁が無かったらしい。


心の奥底で幸せになりたいともがいているのが


よくわかります。


さあてこの娘さんをどうお世話するか、


久々に気の引き締まる思いでした。




なるほど、やっぱり幼い頃両親が


離婚していたということなのか。


祖父母に育てられたという。


だからおじいちゃんおばあちゃんには


心配も迷惑もかけたくないという気持ちが強くて、


今時古風にも人に素直に従うところがあるようです。


まあそれがまた魅力なのですが。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子