結婚相談所物語

賢母良縁、愚母疎縁 後編

やっぱりマイナス思考に傾いちゃった。


だけどエレベーターの扉なんて、


あたしからちょっと待ってといえば済む話だったわ。


別に住む所に困らないのだったら、


私も働けばいいのだし田舎といっても郊外というだけで、


大した問題じゃなかったし、


そんなに悪い話じゃなかったわ。


あの人ともこの人とも、


もっとじっくりと話し合ってよく考えればよかった。」




『母のおかげで、3回目、


いえもしかしたらこの先まだ何度となく


繰り返していたかもしれない


土壇場の迷いから救われて、


今は幸せな結婚生活を送っています。


母の一言で、自分が結婚に対して求めているものは


安心と尊敬であったことに気付きました。


ニーチェの"結婚生活は長い会話のようなものだ"


という言葉の意味をしみじみかみしめています。


色々と話し合ってお互いを思い遣って


歩んでいきたいと思っています。』




会話するにも、語る口を持ち、


傾ける耳を持たなければ成り立ちません。


"初めは他人"だからこそ。


そんな基本のこと、


だけどとても大切なことを諭す母の言葉は、


大人と言えどもまだまだ経験浅い子の


大いなる指針になることでしょう。


母のちょっとした反応や言葉遣い。


だけどこれらの僅かな差異が


子の心情の振れに大きな影響を及ぼすことは


間違いないようですね。


まさに良縁の陰に賢母あり。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子