結婚相談所物語

義母のマジック 前編

一日の無事を祈り、


商売繁盛を願い、


神棚に手を合わせる。


清らかな朝。


実家には神棚なんて無かったわ。


ごく普通の公務員の家庭だったから。


今朝は彼、遠いお得意様先へ行ったけど


間に合ったかしら。


さあて、そろそろお義母さんが来られる時間ね。


今日も色々と教えていただかなくちゃ。




それにしても何だか不思議。


一年前の私が見たらきっとびっくりね。


石橋を叩いて渡るような女の子だった。


激しい恋愛を


経験したことも望んだこともなかったし。


ただ穏やかな家庭には憧れていた。


だから結婚相談所でお相手探しすることに


抵抗はなかった。


むしろ安心な気がしていた。


公務員がいいと思ったのも、


両親を見ていて


公務員しか知らなかったから。


きっと私は、


学校の先生とかお役所勤めの人とか、


そういう人と結婚するんだろうと思っていた・・・。


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マリッジ・コンサルタント 山名 友子