母親と彼女の狭間で相変わらず決断できないでいる彼を
呼び出して話し込んだこともあります。
何度も諦めかけましたが、
一番粘り強く辛抱したのが彼女でした。
その甲斐あって、
>何とか両家紹介までこぎつけたのです。
しかし当日、彼女の両親は体調が悪く、
彼女一人で彼の家に行かざるを得なくなりました。
ここぞとばかり揚げ足を取られてはたまりません。
着ていく服、手土産のアドバイスにも熱がこもります。
当日は自分のことのようにはらはらして報告を待ちましたが、
彼女からの報告は実に清々しいものでした。
彼の方は兄妹含めて皆集まったそうです。
「私のために皆さん集まっていただいて嬉しかったです。とても仲のいいご家族でしたよ。」
彼も気持ちもしっかり固まったようです。
彼が自分の意思をはっきりと見せるのは初めてかもしれません。
成婚退会が決まってからは彼の母親からも何の電話もありません。
どうやら、今まで沈黙していた彼の父親が、
本人同士が良ければそれでいいじゃないか、と執り成してくれたようです。
知らずと子供には呪縛のようになっていくことがあります。
しがらみに囚われて機微に触れる結婚話が思いもよらぬ修羅場に化すこともままありますが、
今回は彼女の鷹揚さと強さが
修羅場を清浄化してくれたような気がします。
彼はやっと伴侶を手に入れたわけですが、母親の愛も普遍です。
これからは二つの思いを上手に受け止めて欲しいと願います。
どうぞ末永くお幸せに。
マリッジ・コンサルタント 山名 友子