結婚相談所物語

強い意志

もう何軒めでしょうか。


こう色々回っていますと、


何を言ってるの?


という目にはもう慣れてしまいました。


初めは、もちろんそういうお相手も見つかりますよ、


という言葉を真っ正直に受け取って


本当にそう思ってくれていると信じていましたけど、


今では口から出る言葉よりも


目の方が正直だと分かります。


だけどどうせならもう少し、


まだ少し、頑張りたいと思います。




弁護士かドクター、


これがお相手の条件です。


高望みと言われるのは分かっています。


でも、信じてもらえないかもしれませんが、


収入がいいとかそういうことではないのです。


結婚って相性が良ければそれでいい、


とそうも思っています。


だけど、その相性のいい相手が


弁護士かドクターであればもっといいのです。


なぜなら彼らは教養があるから、


努力をするから、


考える力があるからです。


それで言えば、


単なる跡取り息子の医者とか


舌鋒鋭くやり込めるだけの弁護士は


除外しなければなりませんね。




両親を見ていると釣り合いの取れた夫婦は


いいなと思います。


母は専業主婦ですが


ちゃんとした大学を出ていますから


学者肌の父との会話は穏やかで


話題に富んでいて楽しいです。


そんな環境で育った私たち子供三人も、


考えることが好きで、


和やかなのが好きで、


言葉を尽くして会話を積み上げていくのが


大好きな人間に成長しました。


だからお相手もそういう人であればいいな


と思うのですが、一人一人全て当たって


試していくわけにはいきません。


ですから、


職業としてそういう人の比率が多そうな


弁護士かドクターを希望したのです。




随分と結婚相談所を巡りました。


なるべく焦らないように気をつけましたが、


それでも適齢期という


自分では何ともし難いハードルは避け難く、


もう条件を譲歩しようかと揺るぎ始めた時、


あの人を紹介されました。


と言うより、


あちらが、もっと正確に言えばあちらのお母様が


私を見つけてくださったのです。


あちらはあちらで家族関係も含めて


考慮されていたようですが、私の家族、


と言うより家族の学歴を


気に入ってくださったということでしょうか。


いずれにせよ思慮深い弁護士のあの人と


巡り会えたことは本当に奇跡にも思え、


こだわってきて良かった、


とつくづく思いました。


父と母のように会話を楽しみ言葉を重ねて


お互いを理解し合う夫婦、


そんな理想の夫婦を目指したいと思います。




妹が私の後に続き婚活をします。


研究者である妹も、


妹の仕事を理解し、


妹の思い描く家庭を一緒に作ってくれるような男性に


巡り会えることを願いますし、


きっとそうなると信じています。


マリッジ・コンサルタント 山名 友子